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春騒譜

Kaori Someya
染谷 香理
2022
h318 w410
岩絵の具、染料、プラチナ箔、金箔、雲肌麻紙、薄美濃紙、膠
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東洋の特に日本の江戸時代の絵画材料について学び、研究を行ってきました。

東洋の画材は、岩から作られた群青や緑青、土から作られた黄土や白土、風化した貝から作られた胡粉、金属を加工して作られた鉛丹や朱、植物や虫から抽出した藍や臙脂、金属そのものである金や銀など、実に様々な素材から作られています。

そしてそれらは特に日本画において、全く異なる物質であるにもかかわらず、一枚の画面の中で決して混ざり合うことなく、お互いを尊重しあい、調和して存在感を放ちます。そしてこのように複合的な要素を一枚の画面の中に取り入れるという行為は、材料そのものだけではなく、描写や装飾といった表現方法にまで及んでいます。

私はこのような材料を用いて、作品の中に日本の伝統的な世界観である「ハレ」(非日常)と「ケ」(日常)時間軸を閉じ込めています。華やかな舞台である「ハレ」(非日常)は美しい二次元の文様に置き換え、日々の暮らしである「ケ」(日常)は現実に存在する三次元のモチーフで表現し、その間を絵の中の主人公が行き来し彷徨います。それは非日常と日常との間だけではなく、本当と嘘、本音と建て前、必然と偶然のように常に相対する物の間で我々が日々選択を迫られている事とも同じです。そしてそこに答えはありません。日本画の画材がそうであるように、私は、それら全てがどのようにしてバランスを保ち、尊重しあい、調和するのか追い求めているのです。
Kaori Someya 染谷 香理
1977 島根県生まれ
1999 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業
2002 東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学保存修復修士課程修了
2004 東京文化財研究所研究補佐員(~06年)
2008 慶応義塾大学非常勤講師(~13年)
2009 東京藝術大学大学院非常勤講師(~14年)
2014 東京藝術大学大学院教育研究助手(~17年)
2015 日本美術院特待推挙(~現在)
2017 東京藝術大学大学院助教(~2020)

パブリックコレクション

作品収蔵 足立美術館/郷さくら美術館/新見市美術館/今井美術館

最近の主な個展

2023 「isolation」銀座ナカジマアート
2022 「回遊」仙台三越
2021 「Re」池袋東武
「a/synchoronous」Sato Sakura Gallery New York
「時の色」松江一畑百貨店
2020 「Mixed」仙台三越・代官山 artobssession galalley 

最近の主なグループ展

2023 「日本画の新星たち」セレネ美術館
2022 「桃源郷」広島Lギャラリー
「しみる日本画」佐賀市近代図書館美術ホール
2020 「ビクトリーブーケ展」佐藤美術館
「炫の会」岩勝画廊(~2023年)

受賞歴

2023 108回 再興院展 奨励賞・天心記念茨城賞受賞
ローニン | グローバス | ONBEAT アーティスト・イン・レジデンス 佳作賞
2020 75回 春の院展奨励賞
2018 72回 春の院展 奨励賞
103回 再興院展 奨励賞・足立美術館賞
2017 102回 再興院展 奨励賞
2016 71回 春の院展 奨励賞
101回 再興院展 奨励賞
2015 70回 春の院展 奨励賞
100回 再興院展 奨励賞
2014 第二回 郷さくら美術館 桜花賞 奨励賞
69回 春の院展 奨励賞
99回 再興院展 奨励賞
2013 68回 春の院展 外務大臣賞 奨励賞
再興98回 院展 奨励賞
2011 再興96回 院展 奨励賞
2007 有芽の会 法務大臣賞
1999 青垣2001年日本画展 佳作賞

助成金

2018 日本美術院奨学金
2015 第4回 前田青邨顕彰中村奨学会 中村賞
2014-2016 科学研究費 基盤研究(C)
2010-2012 科学研究費 挑戦的萌芽研究
2009 芳泉文化財団助成金
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