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澤田光琉
Hikaru SAWADA
2024
h727 w606
キャンバス、油彩
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完成した自分の鉛筆デッサンが他の学生に比べて、淡くぼやけて見えることに劣等感を感じていた。何度も鉛筆の線を重ねて慎重に形を追っても、出来上がる絵は熱量に反していつも淡白だった。重ねられた線は対象を形作りつつも、明暗の差を埋めているようであった。しかしそれは友達をなだめている時の心の働きに近かったように思う。
親しい人がいがみ合っているあの空気が苦手で、間を取り持つことがよくある。話を聞くと概ね、憶測による当事者間のすれ違いであって、悪意は互いにないことが見えてくる。相手を推察による全体的な理解に留まらせず、細部を知ろうとすることこそ、隔たりを埋める振る舞い方であると考えている。